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血液型の検査について

新年度になり、色々な書類が必要になります。
揃える中で、「血液型って調べられますか?」というご質問を受けることが多くなっています。
検査は可能ですが、その目的や必要性はありますでしょうか?

2年前に、青葉区の保育園や幼稚園の先生方と、その園医が集まる会議でお願いさせて頂いたことがあります。
それは、「入園の際に、書類などで血液型を調べるように要求しないで下さい。」ということでした。
何らかの異常のため、血液型をしらべることはあります。
そうでなければ、通常は、出生後の血液に母親の血液も混在しているため、検査結果が必ずしも合っているとは言えず、生後6か月以降の方が良いでしょう。
そして、「緊急時のために血液型が分からないと困る」ということについては、医療機関は「緊急時の輸血はO型を選択することになっており、輸血時の血液検査で血液型を調べてからお子さんに適合する血液型の輸血に変更するため、事前に検査は必要ない」というのが正しいのです。
事前に血液型検査をして、それを防災頭巾に縫い付けたとしても、緊急時には他人の防災頭巾をかぶった子だったら、異なる血液型の血液を輸血してしまうことになります。

世界的には、血液型を知っている個人のほうが少ないと言われています。
占いなどのために、検査に同意のない子供に痛い思いをさせるのもどうでしょうか?
大人と違い、同意がなくて動くことも多い子供ですから、1回で採血できない場合もありますが、それでも必要な処置でしょうか?
採血を行う身としては、「どうしても必要だから、痛くても失敗しても許してね」という覚悟で針を刺します。
新型コロナウイルス感染症の出現で色々な生活の制約がある中で、お子さんのことを少しでも知りたいというお気持ちも分かります。
しかし、今一度、じっくりお考えになっても良いのではないでしょうか?

ちなみに、当院では、血液型検査が疾患の診断や治療に要するものでない場合は、保険は通りませんから、実費で頂く事にしております。
ご理解ご了承の程、どうぞ宜しくお願い致します。