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COVID-19の流行がいったん下火となり、登園・登校が再開しています。すると、大切なことの一つに教育機関への「食物アレルギーの有無とその詳細の申請」があります。当院でも、書類作成のための受診や、食物アレルギー自体のご心配の受診の方が増えました。そこで、外来では伝えきれないかと思ったことがあります。それは、「血液検査は万能ではないですし、必須でもない。症状の経過や再現性が診断や今後の方針の大切な情報である」ということです。つまり、血液検査で診断するのではなく、何をどんなときにどのくらい食べて、どんな症状が、何回くらい出てしまったか、ということが診断につながると言いたいわけです。ついつい、心配で、食物アレルギーの診断には血液検査が最も客観的であろうと思ってしまいます。しかし、実際は、血液検査は、食物アレルギー診断のサポートとしての役割しかなく、診断のために信じすぎるとかえって危険です。例えば、これから離乳食を食べようとするお子さんで、食べたこともない食材について体や血液の反応あるでしょうか?また、最近一部の食材で証明されつつあります二重暴露仮説(食べているものはアレルギーがおさまる傾向があり、皮膚から侵入したものは敵とみなされアレルギー反応を示す可能性がある)を用いますと、口をはじめとする体の湿疹や皮膚炎があれば、血液内ではアレルギーを示す数値が出るが、実際は食べて大丈夫だった、ということもあるわけです。すると、血液検査でアレルギーを疑う数値が出ただけで、ご家族もその食材を与えないように心労があり、本人もその食材を通じて得られる幸せを享受できないばかりか、「食べないことで本当にアレルギーが作られてしまう」可能性も出てくるわけです。血液検査をまずご希望されるのではなく、本当にアレルギーを示唆する経過なのかな?今後どうしていこうかな?という相談のために受診して頂くのが良いかと思います。